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思考を超えた願いの成就

「なぜ私の願いは叶わないのだろう?」

長年、私はこの疑問に苦しんでいた。

成功を願い、愛を求め、健康を祈り、平安を渇望した。目標を立て、計画を練り、努力を重ねた。時には祈り、時には瞑想し、時には占いに頼ることもあった。

しかし、どんなに強く願っても、どんなに詳細に視覚化しても、どんなに一生懸命に行動しても、願いは思うように実現しなかった。むしろ、願えば願うほど、それは遠ざかっていくかのようだった。

転機は、完全に諦めた瞬間にやってきた。

ある日、長年患っていた持病の検査結果を待ちながら、私は病院の待合室で座っていた。もし悪い結果が出たらどうしよう、まだやりたいことがたくさんあるのに、家族はどうなるのだろう…そんな思いが頭の中をぐるぐると駆け巡っていた。

そして突然、疲れ果てた心が完全に降参した瞬間があった。

「もう、どうなってもいい」

その瞬間、不思議な静寂が心を包んだ。願うことも、恐れることも、計画することも、すべてが止まった。ただ、深い沈黙の中に沈んでいった。

そして、その静寂の中で、微かな感覚が生まれた。 「すべては既に完璧だ」という、理由のない確信。

検査結果は、予想に反して良好だった。しかし、それ以上に驚いたのは、結果を聞いた時の自分の反応だった。嬉しいというよりも、「そうなることは分かっていた」という静かな確信があった。

この体験をきっかけに、私は願望実現の真実を理解し始めた。

私たちが普段「願い」と呼んでいるものの多くは、実は恐れの裏返しなのだ。

「成功したい」という願いの裏には「失敗への恐れ」が隠れている。 「愛されたい」という願いの裏には「孤独への恐れ」がある。 「健康になりたい」という願いの裏には「病気への恐れ」がある。

このような恐れに基づく願いは、恐れのエネルギーを世界に放出している。そして宇宙の法則により、恐れていることが現実化してしまう。願いが叶わないのではなく、恐れが叶ってしまっているのだ。

しかし、思考が完全に静まった無考の状態では、恐れも消失する。そして、恐れのない純粋な意識から生まれる願いは、もはや個人的な欲望ではなく、宇宙全体の調和に寄与する願いとなる。

このような願いは、努力や操作を必要とせず、自然に実現される。まるで宇宙全体が協力するかのように、必要なものが必要な時に必要な形で現れる。

私はこの原理を、日常生活で実験し始めた。

仕事で大きなプロジェクトを任された時、以前なら「成功させなければ」と必死に計画を立てていた。しかし今度は、まず完全に無考の状態に入った。すると、プロジェクトの全体像が一瞬で見えて、最適な進め方が自然に明らかになった。

人間関係で問題が生じた時も、「どう解決しよう」と頭で考える代わりに、深い沈黙に入った。すると、相手の本当の気持ちが理解でき、最も適切な言葉が自然に口から出てきた。

経済的な困難に直面した時も、「お金が欲しい」と願う代わりに、無考の中で「今の状況に感謝する」気持ちを深めた。すると、思いもよらない形で収入の機会が現れた。

この体験を重ねる中で、私は願望実現の究極の秘密を理解した。

真の願いは「求める」ものではなく、「気づく」ものなのだ。

無考の深い境地では、自分が本当に必要としているもの、本当に望んでいることが明らかになる。そしてその多くは、外的な何かを得ることではなく、内的な何かに気づくことだった。

愛を求めていた時、実は自分の中にある愛する能力に気づくことが真の願いだった。 成功を求めていた時、実は既に完璧な存在である自分に気づくことが真の願いだった。 平安を求めていた時、実は心の奥底にある永遠の静寂に気づくことが真の願いだった。

求めていたものが既に自分の中にあると気づいた時、外的な状況も自然に変化し始める。内的な充足が外的な豊かさを引き寄せ、内的な平安が外的な調和を創造する。

今、あなたが何かを強く願っているなら、少しだけ立ち止まってみてほしい。

その願いの奥にある恐れは何だろうか? そして、その恐れを完全に手放したら、本当の願いは何だろうか?

5分間、すべての願いを脇に置いて、ただ静かに座ってみる。 思考を止め、求めることを止め、ただ在る。

その沈黙の中で、あなたの魂が本当に求めているものが明らかになるだろう。

そして、それは求める必要のないもの、既にあなたの中に完璧な形で存在しているものであることに気づくはずだ。

無考の中で生まれる願いは、必ず叶う。 なぜなら、それは宇宙の意志そのものだから。

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無考神道・教祖

無考神道の教祖。 自身が日常生活の中で「無考」に至ったことから、日常生活での実践に重きを置いている。 また、無考によって司法試験に合格、年収3000万円超を達成、癌からの生存を実現するなど現世的な利益を得た経験があるため、現世的な願望を否定しない。

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