無考を用いてアイドルと付き合う方法
前回の記事(こちら)で、アイドルと付き合えることが必ずしも幸せではないという話をした。
だが、ここで一つの疑問が生まれる。
「それでも、やっぱりアイドルと付き合いたい」という願望が、頭の中から消えないとしたらどうするのか。
その願いは間違っているのか。
答えは否である。
願望そのものを否定する必要はない。
むしろ、その願いがどこから生まれているのかを静かに見つめていけば、無考の実践によって、その願いすらも実現可能であることが見えてくる。
「無考」というと、すべての欲を手放し、何も望まない状態だと誤解されがちである。
だが実際の無考は、望みが生まれても、それに執着せず、騒がず、ただ淡々と今に在るという在り方である。
頭の中で「どうすればアイドルと付き合えるか」「自分には無理だ」「あの人には恋人がいるかもしれない」などと、未来と過去を往復するおしゃべりをやめて、今この瞬間の自分の在り方に意識を向けること。
その静けさの中に入ると、思考では不可能に見えたことが、まるで当然のように現実化してくる。
無考になったとき、人は本来の波動、つまり偽りのない在り方に戻る。
他人の評価を気にしたり、理想を演じたりする必要がなくなり、存在そのものが透明になっていく。
その透明さが、相手にとっての安心を生み、不思議と人を惹きつける磁力になる。
アイドルのように、常に他人の目に晒されて疲弊している人にとって、そうした無考の波動を持った人は、心の拠り所となり得る。
つまり、あなたが無考に在ることで、アイドル側から近づきたくなるという現象が起こり得るのだ。
また、無考の状態では、「自分はこの人と付き合えるような存在ではない」というような自己否定が存在しない。
「自分は〇〇のような立場だから無理だ」「向こうは芸能人で自分とは違う世界の人だ」という上下関係の幻想がなくなる。
相手が誰であれ、同じ命として、同じこの瞬間に在るという感覚が深まる。
そのとき、人と人との関係は、肩書きや立場ではなく、波動で結ばれていく。
つまり、無考の人間は、無意識にアイドルと“同じ次元”に存在するようになるのだ。
もちろん、だからといって、必ずしも特定のアイドルとの恋愛が約束されているわけではない。
ただし、それと同じ、あるいはそれ以上に魂が響き合う出会いが、思いがけないかたちで訪れる可能性は高くなる。
重要なのは、願望を叶えようと頭で努力することではなく、その願望を静かに抱えたまま、無考であることに戻ること。
すると、望んだことが、思考では計画できない不思議なかたちで現実になっていく。
実際、無考を実践してきた人間として、私自身、かつて夢のようだと思っていた人間関係が、気づけば日常になっていたという経験をしている。
これは偶然でも奇跡でもない。
むしろ、無考の状態こそが、願望実現における最短経路なのである。
思考のノイズが無ければ、願いは純粋なエネルギーとなり、世界に伝わる。
そして世界は、そのエネルギーに応えるように動き始める。
だから、もしあなたが心の底から「アイドルのような人と恋愛がしたい」と感じているなら、その思いを否定することはない。
ただし、その思いにしがみつくのをやめて、無考になってみてほしい。
叶えるために努力するのではなく、叶う在り方に静かに戻る。
そのとき、あなたの周囲に現れる人々は、思考で選んだ理想像をはるかに超えて、魂に調和する存在であるかもしれない。
アイドルと付き合える人生が幸せかどうか。
それは相手の肩書きではなく、無考という静かな在り方を共有できるかどうかで決まる。
そして、その在り方を生きていれば、アイドルすら、あなたの人生にそっと現れる可能性があるのだ。