1. HOME
  2. 今日の教え
  3. 今日の教え
  4. 引き寄せの法則で願いが叶わない理由

引き寄せの法則で願いが叶わない理由

引き寄せの法則を試してみても、思ったような結果が得られないと感じる人は非常に多い。
理想の未来を紙に書き出し、アファメーションを毎日唱え、ビジョンボードを壁に貼り、瞑想やイメージングを続けても、現実が変わらない。
中には「やればやるほど遠ざかっているような気がする」と感じる人さえいる。
この現象には、ほとんどの場合、共通する原因がある。それは「思考の過剰」である。

引き寄せの法則は、「自分が放っている波動が、同じ波動の現実を引き寄せる」というシンプルな仕組みだと説明される。
しかし、多くの人はこの「波動」という言葉を理解しながらも、日常生活の中では思考の支配から抜け出せない。
頭の中では、常に「いつ叶うのか」「まだ叶っていない」「どうすればもっと早く叶うのか」というおしゃべりが止まらない。
この内なる会話は、意識的にポジティブな言葉を選んでいても、その奥には「まだ実現していない」という不足感を含んでいる。
つまり、願望を意識するほど、その不足感を強化してしまっているのである。

ここで必要なのが「無考」という状態である。
無考とは、単に何も考えないということではない。
湧き上がる思考をコントロールしようとせず、そのまま通り過ぎさせる状態である。
この状態に入ることで、頭の中の「足りない」「まだ叶っていない」という暗黙の信号が止まり、心が静まる。
心が静まれば、安心感や満足感といった、引き寄せが自然に働くために必要な波動が保たれる。

引き寄せの法則が叶わない最大の理由は、この安心感や満足感を「思考で作ろう」としてしまうことにある。
たとえば、「もう叶ったつもりで過ごす」というテクニックを、頭で無理に演じようとすると、どこかで「でもまだ現実は違う」という矛盾が生まれる。
その瞬間に波動は下がり、願望は遠ざかる。
無考の状態では、この矛盾がそもそも生まれない。
なぜなら、思考で現実を比較していないからだ。

さらに、無考は直感を研ぎ澄ます効果がある。
引き寄せは、多くの場合、突然目の前に現れるわけではない。
日常の中に散りばめられた小さなチャンスや偶然が積み重なって、最終的に現実化する。
その小さなサインをキャッチできるかどうかが、成功と失敗を分ける。
しかし、思考が常に未来をシミュレーションしている状態では、そのサインは見逃される。
無考であれば、今この瞬間の出来事に全感覚が開かれ、必要なタイミングで必要な行動を迷いなく取ることができる。

また、無考は「願望への執着」を自然に手放す力を持っている。
執着とは、強い願いではなく、裏返せば「叶わないかもしれない」という恐れである。
この恐れは、波動を大きく下げる。
無考の状態では、その恐れを思考で握りしめることがないため、結果的に執着が消え、波動が安定する。
波動が安定すれば、現実化のスピードは自然に早まる。

興味深いのは、無考を実践し続けると、願望が叶う前に「叶わなくてもいい」という深い安心感が生まれることである。
これは諦めではなく、今ある現実に満足できる感覚である。
この感覚があるとき、人は波動的に最も魅力的な状態となり、引き寄せが一気に加速する。
皮肉なことに、「叶わなくてもいい」と思えるようになったときに限って、願望は自然に叶い始めるのである。

無考は、特別な時間や場所がなくても実践できる。
呼吸に意識を向け、今感じている感覚だけに集中する。
歩くときは足の接地感、食事のときは味や香り、仕事中は手の動きや音に意識を置く。
この「今に戻る」練習を日常の中で繰り返すことで、思考が過剰に働く時間が自然に減っていく。
引き寄せを本当に機能させたいなら、この日常的な無考の積み重ねが欠かせない。

結局、引き寄せの法則が叶わない最大の理由は、「願望を叶えようとする努力」がすべて思考の枠内で行われているからである。
思考で作った波動は一見ポジティブでも、根底に不足感を含んでいる。
無考であれば、その不足感は発生しない。願望を設定したら、それを忘れて今を生きる。
このシンプルな姿勢こそが、引き寄せを最も強く働かせる鍵なのである。

引き寄せは、方法論ではなく「在り方」で決まる。
その在り方の中で最も純度が高く、波動が安定するのが無考である。
だからこそ、引き寄せの法則を本気で成功させたい人は、願望を追いかける前に、まず無考という土台を築くべきなのである。

記事一覧

無考神道・教祖

無考神道の教祖。 自身が日常生活の中で「無考」に至ったことから、日常生活での実践に重きを置いている。 また、無考によって司法試験に合格、年収3000万円超を達成、癌からの生存を実現するなど現世的な利益を得た経験があるため、現世的な願望を否定しない。

関連記事